磯野カツオは、「バカモン」なのか。

「サザエさん」に、カツオは、「あと一人銀行」を作ったり、犬の散歩のアルバイトをしたりして小遣いを稼ぐアイデアを絶えずに出し続けました。そのようなことがお父さんに知られる度に、「バカモン」、「とんでもないやつだ」や「学生のくせに」と叱られてしまいました。


それに対して、アメリカでは商機を見つけていち早く行動に移せる人は、仮に子どもであってもとても高く評価されます。むしろ、子どもだからこそ、余計に一目置かれます。実際、成功した起業家は、インタビューを受ける時、よく「子供の時代からは、もう起業精神を持っていたのでしょうか」、または、「ご自身は起業家に向いていると、子供の時からわかったのでしょうか。」と質問されます。

彼らは大体、子供の時から起業する天分を持っている証拠として、いかにアルバイトや経営ごっこのようなことで小銭を稼いだ事例を自慢気に話します。例えば、ある成功者から、子供の時に、両親が買ってくれた自転車を有料で他の子供たちに乗せたとの話を聞いたことがあります。


また、夏のアメリカの公園でよく見かける光景ですが、四、五歳くらい子供もレモンネード・スタンドを出して、1ドルか2ドルで売っています。彼らの親たちは、ちょっと離れたところで見守っていたり、必要に応じて指導を加えたりするような形で、子供の起業精神を養わせます。


アメリカでは、勉強ができる人だけがスマートと見るのではなく、それを"book smart”と評して、それに対して、勉強は不出来だが、実社会では賢く生きていて金稼ぎもうまい人は、 “street smart”と評します。book smart ではないカツオを無理矢理に勉強させるより、彼が持っている優れたstreet smartの才能を生かせた方が、よっぽど素晴らしい成果に結び付くと思います。

カツオ は、アメリカで生まれたら、「バカモン」どころか、もしかしたら、若き億万長者になれたのかもしれませんね。

知恵東西

ニューヨーク在住。中国 (C)、アメリカ(A)、日本(N)で学んだこと、考えたことを思うがままに綴る。

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