チームの力

フィル・ジャクソン(Phil Jackson)というNBAの名コーチが、最近Oprahのインビューを受けた時、彼は以前でシカゴ・ブルズのヘッドコーチ時代に選手のマイケル・ジョーダンとの一エピソードを語りました。

ジャクソンは、シカゴ・ブルズというチームの成績を上げるのに、ジョーダン一人に頼るだけでは成し遂げないと考えた。したがって、彼はジョーダンに、他の選手がもっとやる氣を出せて、もっと活躍できるように、ジョーダンの得点の機会を他の選手に譲ってほしいと話した。つまり、ジョーダンが個人的に得点王になるより、チームがリーグでの優勝を優先せよという要求だった。ジャクソンに感心させたのは、ジョーダンがそれを受け入れてくれたことだ。その後、シカゴ・ブルズは、念願の優勝を果たしただけではなく、なんと三連覇を二回もやり遂げました。

いくら優れた人材であっても一人でできることに限りがある。大きな功績を挙げるには、多数の人の力が必要だ。中国に、「仮に一人の諸葛孔明でも、三人の鉄器の職人に敵わない」という俗語があるように、仮にどんな天才であっても、その一人は、大した才能もないが力を出し合ったチームに勝てません。

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妙なことに、物凄く才能の持ち主でありながら他のチームメンバーとも協力できるような者は、結果的にその才能が埋もれるどころか、むしろより大きく開花することになる。ジョーダンは、チームメンバーと共にリーグ制覇を成しただけではなく、とうとう個人も得点王のタイトルを手に入れた。得点王を擁したチームは、優勝できないというNBAの定説を覆すことになりました。

それは、松下幸之助さんのおしゃった「すべての人の知恵があますところなく融合され、それが真の衆知として生かされる時に、人間に与えられた天命は、はじめて生き生きと発揮される。」ということではないでしょうか。

知恵東西

ニューヨーク在住。中国 (C)、アメリカ(A)、日本(N)で学んだこと、考えたことを思うがままに綴る。

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