準備期間(1)
アメリカの有名な自己啓発書作家及び演説家 Tony Robbins が、かつてネルソン・マンデラをインビューした際に、27年間も獄中で生活を送っていたマンデラに、その27年間をどのように生き残ったのか、と質問したことがあります。マンデラの答えに、さすがのRobbinsも衝撃を覚えた。マンデラは、「私は生き残ったのではなく、準備していたんだ。」と淡々と答えました。
マンデラは、こう解釈したのだ。彼は、当時、いずれ出獄できるのか、ましていつ出獄できるのかについては、知るはずもなかった。しかし、彼が知っているのは、もし彼が出獄できれば、彼はきっとリーダー職につくことになるだろう。従って、彼はリーダーになる準備を獄中でしていたのです。
実にパワフルな考え方です。人生には、しばしば自分の力でどうにもならない状況に落ち入ることがあります。そんな自分のコントロールできないことを心配したり、不平不満を言ったりするよりは、最善の展開を期して、自分のコントロールできることを着実にやっておくような方は、真の勇者だと思います。マンデラにとっては、出獄は彼にコントロールできることではなかったが、出獄後に優れたリーダーになるための勉強と自己訓練は、獄中にもできたのです。できることを着々とこなしているうちに、運命の転機が訪れたのです。その転機をものにさせたのは、ほかではなく、その転機を待つ間に行った日々の準備です。
<続く>
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