己と周り
環境の力
日本には、「朱に交われば赤くなる。」という熟語があります。それは、古代の中国語から由来し、現代中国語では、「近朱者赤,近墨者黑。」という熟語になっています。直訳すると、朱に近づけば赤くなり、墨に近づけば黒になると言う意味です。つまり、人間は、環境や友人の影響を受けやすく、その影響で良くも悪くもなると言うことであります。
アメリカにも成功学著者・演説家ジム・ロン(Jim Rohn)の、それに通じる名言があります。「あなたは、あなたと一緒に最も多くの時間を過ごす五人の平均値だ。」(You are the average of the five people you spend the most time with.) 。いかにもアメリカの数字重視する特徴の現れた言い方だが、かなり頻繁に引用されています。
松下電気の松下幸之助さんと長年一緒に働いた奥さんの弟である井植歳男さんが、事情により、松下電気を離れてしまったのち、三洋電機を創業しました。それができたのは、きっと井植さんにとって松下さんの影響が大きかったでしょう。
サンフランシスコに行ってきた友人の話では、普通の喫茶店に行っても、必ず起業について語り合う話が聞こえるそうです。シリコンバレー精神に同化されたのでしょう。
したがって、我々の身の置かれる周りの環境が本当に大事ですので、良い友人、良い職場、良い住む環境、良い読書、良い視聴番組を選択するよう心がけたいものです。
他人のせいにしない
しかし、我々は完全に環境に影響されている受け身的な存在ではない。他人を厳しい目で判断しすぎないように、他人から求めすぎないように、自分を戒める日々です。
人間は、多面性を持ち、赤の面もあれば、黒の面もある。赤でも黒でもなく、グレーな一面もある。この世のなか、すべての面において素晴らしい人は、果たして何人くらいいるのでしょうか。
したがって、他人の良いところにフォーカスして、謙虚に学んで、他人の欠けている点が自分にも不足ではないかと見つめ直します。我々は、いつも一緒にいる五人の平均値になるという質もあれば、「三人行けば、必ず我が師あり」という賢さもあります。
環境に影響を
より一層の上級者は、意識的に環境をリードする存在でいます。ガンディーの 「Be the change you want to see in the world.」は、まさにその表れです。日々の生活の中にも、ささやかなことでも、周りにポジティブな影響を与える機会に時々出会えるので、その時は、勇気をもってリードしたいですね。
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