「塞翁が馬」を読み返す


「塞翁が馬」という中国の4字熟語をお聞きになる方も多いかと思います。

物語

塞翁という老人に馬がいたが、ある日、その馬がどこかに逃げた。塞翁の隣人たちは、馬を失った塞翁に、かわいそうだねと声をかけた。塞翁は、いや、これは実はいいことかもしれないと答えた。数日後、あの馬はもう一匹の馬を連れて帰ってきた。

隣人たちは、おめでとうと塞翁に祝賀したが、今度は、塞翁が心配そうに、いや、これは災いになるかもしれないと答えた。間もなくして、塞翁の息子が馬に乗っていた時、馬から転んできて、足を悪くした。

隣人たちは、塞翁にまたかわいそうだねと声をかけたが、塞翁は、動じずに、いや、これはいいことかもしれないと答えた。しばらくして、塞翁の国が戦争になって、若い男性は皆んな軍隊に連れて行かれ、たくさんの人は戦死してしまった。しかし、塞翁の息子が、足が悪いため、軍隊に入る義務から免れて、家に残ることができた。

今までの読み方

この物語の教えは、災いも福に転じて、福も災いになることがあり、結局何が福か何が災いかわからないと、小学生の時から、そう教わられたと覚えている。

この教えがあるから、とても悲しいことが起きても、これはいいことにつながるかもしれないと思えて、達観で前向きな姿勢になれて、また、物事がとてもうまくいっても、次に何が起こるかわからないから、驕らずに謙虚でいられる、という一面がある。

他方、この教えは、人生は常にどちらに転がるかわからない、人間は人生のコースを左右できないという一種の無力感を漂わせている一面もあるように私は思う。

「引き寄せの法則」で読み返す

しかし、「引き寄せの法則」(アメリカでは Law of Attraction と言う)を学んでから、私はこの物語の読み方を少し変えた。いいことが起きても、素直に喜ばないで、心配し出したせいで、心配させることを引き寄せたのではないか。同じように、悲しいことがあっても、次はきっといいこと起きるよという明るい気持ちで、福を呼び寄せたのかもしれない。

この読み方だと、何だか自分で自分の人生をある程度コントロールできるような気がして、もっと前向きに、もっと明るく、もっと積極的で、もっと確かな気持ちでこれからの道を歩んでいけるような気持ちでいられる。銀座まるかんの斎藤一人さんもおしゃったように、いいことの後に悪いことが起きると誰が言ったの、いいことの後にもっといいことが起きるよって。

知恵東西

ニューヨーク在住。中国 (C)、アメリカ(A)、日本(N)で学んだこと、考えたことを思うがままに綴る。

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